好きと言えなくて
その日の夜は、毎年恒例の夜桜宴会が行われた。
バイク通勤の正義と、未成年の越智さん以外は、花よりだんごならぬ、花見より酒! ブルーシートに五人で料理を囲むようにして座った。
「若いモン同士、仲良く座り!」
社長に促され、正義は、越智さんの隣に座らされた。ふたりを見るような形で、私は社長の隣に座っている。付き合っていることは、誰も知らないから、仕方ないんやけれど……。
飲まな、やってられん!
酒や! 酒持ってこい!
「宇和島さん、なに飲んではるんですか?」
隣に座る宇和島さんに声をかける。色黒で、体の大きなオッチャン。趣味は、釣りと酒……だそう。
「ワシは、ハイボール! 唐揚げとハイボールが合うとか、宣伝しとるやろ? ハイカラとか言うて」
それは、どうでもいいですが……。
「私もハイボール飲みますわ」
クーラーボックスから、ハイボールの缶を取り出して、宇和島さんと陽気に乾杯をした。
バイク通勤の正義と、未成年の越智さん以外は、花よりだんごならぬ、花見より酒! ブルーシートに五人で料理を囲むようにして座った。
「若いモン同士、仲良く座り!」
社長に促され、正義は、越智さんの隣に座らされた。ふたりを見るような形で、私は社長の隣に座っている。付き合っていることは、誰も知らないから、仕方ないんやけれど……。
飲まな、やってられん!
酒や! 酒持ってこい!
「宇和島さん、なに飲んではるんですか?」
隣に座る宇和島さんに声をかける。色黒で、体の大きなオッチャン。趣味は、釣りと酒……だそう。
「ワシは、ハイボール! 唐揚げとハイボールが合うとか、宣伝しとるやろ? ハイカラとか言うて」
それは、どうでもいいですが……。
「私もハイボール飲みますわ」
クーラーボックスから、ハイボールの缶を取り出して、宇和島さんと陽気に乾杯をした。