好きと言えなくて
動揺する正義
…翌朝…。
逢坂橋筋商店街
ナニワヤ金物店
「おはようございます」
いつものように出勤すると、店先を掃除する、うららちゃんの姿があった。
「おはようございます! 葉子さん」
新入社員だったうららちゃんと、正義を巡って壮絶な? バトルを繰り広げたのも今や昔。名前で呼び合う仲になっていた。
「ちょっと聞いてほしいことがあるんです……。お昼、一緒に食べてもいいですか?」
「いいよ」
うららちゃんに返事をすると、そのまま事務所に向かった。こっそりとロッカーに入れていた正義のお弁当も、今では堂々と、私のデスクの上に置いていた。
アレ? おかしいな……。定時を過ぎても、正義が来ない。
「葉子ちゃん、正義くんから連絡あったか?」
アノ騒動以来、私と正義は職場公認の仲。社長が、私に聞いてきた。
「いえ……」
ドタドタドタ……と、騒がしい足音が近づいてきた。
「おおお、おはよう、ございます……ね、寝坊し、ました……すみません」
はぁはぁと呼吸を乱したまま、正義が社長に頭を下げた。
「誰でも寝坊することはあるから仕方ないけれど、ちょっと連絡してこんかいな」
「あ、あ、す……すみませんでした」
「今まで遅刻もなかったし、今回はまけといたる。はよ配達に行き」
「あ、ありがとうございます……行ってきます」
正義は、慌てて軽トラの鍵を持って、出かけていった。私のデスクの上にある、お弁当を置いたまま……。
「お弁当、忘れてるし……」
逢坂橋筋商店街
ナニワヤ金物店
「おはようございます」
いつものように出勤すると、店先を掃除する、うららちゃんの姿があった。
「おはようございます! 葉子さん」
新入社員だったうららちゃんと、正義を巡って壮絶な? バトルを繰り広げたのも今や昔。名前で呼び合う仲になっていた。
「ちょっと聞いてほしいことがあるんです……。お昼、一緒に食べてもいいですか?」
「いいよ」
うららちゃんに返事をすると、そのまま事務所に向かった。こっそりとロッカーに入れていた正義のお弁当も、今では堂々と、私のデスクの上に置いていた。
アレ? おかしいな……。定時を過ぎても、正義が来ない。
「葉子ちゃん、正義くんから連絡あったか?」
アノ騒動以来、私と正義は職場公認の仲。社長が、私に聞いてきた。
「いえ……」
ドタドタドタ……と、騒がしい足音が近づいてきた。
「おおお、おはよう、ございます……ね、寝坊し、ました……すみません」
はぁはぁと呼吸を乱したまま、正義が社長に頭を下げた。
「誰でも寝坊することはあるから仕方ないけれど、ちょっと連絡してこんかいな」
「あ、あ、す……すみませんでした」
「今まで遅刻もなかったし、今回はまけといたる。はよ配達に行き」
「あ、ありがとうございます……行ってきます」
正義は、慌てて軽トラの鍵を持って、出かけていった。私のデスクの上にある、お弁当を置いたまま……。
「お弁当、忘れてるし……」