好きと言えなくて
お昼休みになり、うららちゃんが事務所にやってきた。

「なんの話? 恋愛相談?」

ニヤリと笑いながらお茶を出すと、うららちゃんにしては珍しく、深いため息をついた。

「どないしたん? 重度の恋患い?」

今度は真顔になり、聞いてみる。

「……かなりの重症です……」

「な、なにがあったん?」

最初はからかい半分だった私も、なんだかドキドキしてきた。

「生理が来ないんです……」

「生理不順? それか、避妊せんかったん?」

「だって! 彼はテクニシャンで……気持ちよくって……」

ハタチの小娘が、テクニシャンだの、気持ちいいだの……昼間にする話とちゃうわ!

「そやからって……避妊せんといかんやろ? 相手も相手やわ! どうせ、同じ年の子なんやろ?」

ううん……と、うららちゃんが首を振った。

「夕陽化成の……西条さんです」

「あんたら……いつの間に……」

空いた口が塞がらず、天を仰いだ。

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