好きと言えなくて
お昼休みになって、うららちゃんがやってきた……西条さんと一緒に。

「ご無沙汰してます、葉子さん」

「どうも……」

このテクニシャンが!

「社長は、お昼休みですか?」

「ご飯を食べに出かけました。もうすぐ帰ると思います」

私はふたりを応接室に案内して、お茶を出した。

「すみません、葉子さん。社長が帰るまで待たせてもらいます」

こりゃ、命中してたな? と、思いながら軽く会釈をして、応接室を出た。

しばらくすると、宇和島さんと社長が帰ってきた。

「社長、西条さんがおみえです」

そう言って、応接室に案内した。

「お待たせしてすみません……あれ? うららちゃん?」

事情を知らない社長は、並んで座るふたりを不思議そうにみつめる。

「今日は、仕事やないんです。社長にお話ししたいことがあって……」

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