好きと言えなくて
バイクの後ろに跨り、正義にぎゅーっとしがみついた。やっぱり、正義の背中は心地いいわ。
バイクは、いつもの夜景が綺麗な場所に到着した。
「今夜も、綺麗やなぁ」
私は、わざと正義に背を向けた。そして、正義からのハグを待つ……。ドキドキ、ドキドキしながら。
「正義?」
ハグをしてくれない正義に、待ちきれなくて振り向くと、夜景も見ずに俯いていた。
「どないしたん? 正義、体調悪い?」
「ううん」
「ほな、なんで?」
正義が顔をあげて、私をみつめる。暗くてハッキリとは見えないけれど、泣いているようにも見えた。
「正義、なんかヘンやで?」
「オレ……自信がない」
私のほうから正義に歩み寄ると、ひと呼吸おいてから、呟いた。
「自信がない……って、なにが?」
「葉子さんを、幸せにできるかどうか」
私を幸せにできるか……って? 幸せにしてもらわんでも、正義がいてくれるだけで、幸せやのに。
「そんなん、ふたりで幸せになったら、ええんちゃう? そんなに気負わなくても」
「そっか……」
「もしかして、それで悩んでた?」
正義は、私との将来を真剣に考えて悩んでたのか……そう思うとうれしくなった。でも、その気持ちを素直に伝えられるハズもない。
「そんなん、悩まんでええ。あほやな、正義は!」
私は、軽く口走った。正義の気持ちも考えずに。
バイクは、いつもの夜景が綺麗な場所に到着した。
「今夜も、綺麗やなぁ」
私は、わざと正義に背を向けた。そして、正義からのハグを待つ……。ドキドキ、ドキドキしながら。
「正義?」
ハグをしてくれない正義に、待ちきれなくて振り向くと、夜景も見ずに俯いていた。
「どないしたん? 正義、体調悪い?」
「ううん」
「ほな、なんで?」
正義が顔をあげて、私をみつめる。暗くてハッキリとは見えないけれど、泣いているようにも見えた。
「正義、なんかヘンやで?」
「オレ……自信がない」
私のほうから正義に歩み寄ると、ひと呼吸おいてから、呟いた。
「自信がない……って、なにが?」
「葉子さんを、幸せにできるかどうか」
私を幸せにできるか……って? 幸せにしてもらわんでも、正義がいてくれるだけで、幸せやのに。
「そんなん、ふたりで幸せになったら、ええんちゃう? そんなに気負わなくても」
「そっか……」
「もしかして、それで悩んでた?」
正義は、私との将来を真剣に考えて悩んでたのか……そう思うとうれしくなった。でも、その気持ちを素直に伝えられるハズもない。
「そんなん、悩まんでええ。あほやな、正義は!」
私は、軽く口走った。正義の気持ちも考えずに。