好きと言えなくて
お昼休みになり、私は、太くんからもらったクロワッサンを、みんなに配った。
うららちゃんは、妊娠が発覚してから、お弁当を持参するようになった。若くてもお母さんなんや、と、感心した。
「うららちゃん、クロワッサン食べられる?」
「はい、ありがとうございます! まだ悪阻もないんで……」
私は、いつものように、お茶をいれた。
「それにしても……あんなイケメンを振るなんて、さすが葉子さん」
「違う違う。振られたの!」
「振られたんですか? でも、ね、もし……やり直したいって言われたら、どうします?」
「えっ……」
太くんが、やり直したいって言ったら? 爽やかな笑顔を思い出し、鼓動が早くなった。
「正義さんもいいですけど、パン屋のイケメンも捨てがたいですね」
「な、なにを言ってんの? 太くんは彼女いてるよ、きっと」
「いやいや、きっといないですって!わざわざ店に、葉子さんの顔が見たくて来たんですよ!」
「そんなわけない」
「私の勘は、結構当たりますよ?」
うららちゃんは、妊娠が発覚してから、お弁当を持参するようになった。若くてもお母さんなんや、と、感心した。
「うららちゃん、クロワッサン食べられる?」
「はい、ありがとうございます! まだ悪阻もないんで……」
私は、いつものように、お茶をいれた。
「それにしても……あんなイケメンを振るなんて、さすが葉子さん」
「違う違う。振られたの!」
「振られたんですか? でも、ね、もし……やり直したいって言われたら、どうします?」
「えっ……」
太くんが、やり直したいって言ったら? 爽やかな笑顔を思い出し、鼓動が早くなった。
「正義さんもいいですけど、パン屋のイケメンも捨てがたいですね」
「な、なにを言ってんの? 太くんは彼女いてるよ、きっと」
「いやいや、きっといないですって!わざわざ店に、葉子さんの顔が見たくて来たんですよ!」
「そんなわけない」
「私の勘は、結構当たりますよ?」