好きと言えなくて
ヤキモキ
予定通り、日曜日に『競馬ツアー』が開催された。
午前十時、阪神競馬場入口に現地集合。
「おはようございます」
社長は、十時より早く来て従業員全員の入場券と競馬新聞を買って待ってくれていた。
私が到着した時には、越智さんと、珍しく正義が来ていた。いつも私より遅い正義が……。
「葉子ちゃん、今日はどれがくるやろか?」
「私は、外枠を狙ってます」
「松山さん、外枠ってなんですか?」
私は、社長から受け取ったばかりの競馬新聞を広げて丁寧に説明をした。
「へぇー。私も買ってみよかな?」
「馬券は二十歳から!」
「えっ!? 買えないんですか?」
「そう。ちなみに二十歳でも学生やったら買えないんよ」
「知らんかった。勉強になります」
私が喋っている間、正義は、ぼーっとしていた。彼はときどき、魂があの世に行くことがある。
だから私が、手綱を握ってやらんといかんのや。
午前十時、阪神競馬場入口に現地集合。
「おはようございます」
社長は、十時より早く来て従業員全員の入場券と競馬新聞を買って待ってくれていた。
私が到着した時には、越智さんと、珍しく正義が来ていた。いつも私より遅い正義が……。
「葉子ちゃん、今日はどれがくるやろか?」
「私は、外枠を狙ってます」
「松山さん、外枠ってなんですか?」
私は、社長から受け取ったばかりの競馬新聞を広げて丁寧に説明をした。
「へぇー。私も買ってみよかな?」
「馬券は二十歳から!」
「えっ!? 買えないんですか?」
「そう。ちなみに二十歳でも学生やったら買えないんよ」
「知らんかった。勉強になります」
私が喋っている間、正義は、ぼーっとしていた。彼はときどき、魂があの世に行くことがある。
だから私が、手綱を握ってやらんといかんのや。