好きと言えなくて
私が呟いた瞬間、太くんが真顔になった。そして、私から離れてベッドの脇に座った。

「ど……どないしたん?」

体を起こして、隣に座る。

「オレは葉子ちゃんと三年付き合ってたんやで? いつも一緒やったから、葉子ちゃんのことは、よくわかってる……」

「な、なに? それが、どないしたん?」

「……オレのこと……なんとも思ってないやろ?」

「そ、そんなことない! 太くん、大人になってさらにかっこ良くなってたし、一緒におったら、めっちゃドキドキするし……」

「気持ちがなくても、抱きしめられたりキスされたら、誰でもドキドキするやんか?」

「それは……そうやけれど……」

横目でチラリと様子を伺う。太くんは、ため息をついて天井を見上げていた。
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