幸せになっていいですか
仮面
西田真理27歳 もうすぐ28歳。

会社に勤めてもうすぐ10年・・・。

高校卒業からこの会社に勤めて10年・・・。

今じゃお局様?主?って言われるぐらいの立場。

一日終わればそれでいい。今はおひとりさまを充実中。

恋人・・いない・・・作らない・・・苦しい思い出があるから・・・。

もうたくさん・・・今は一人のほうが楽かも・・・。時々寂しいけど・・・。

あの出来事さえなかったら・・奥様になってたかも・・・。



いつもの休憩室。自販機の明かりだけで佇む。

電気つけると、ここからの夜景が見れないから。

ここからぼーっと見る景色が何とも言えない。

あ~ダメだ。仕事仕事。残業終わらせないと!!

コーヒーとたばこを一服。みんなが帰った後の密かな楽しみ。

(これじゃオジサンだわ・・・でも・・あ~ほっとする~)

夜景を見ながら。う~んと背伸び。

さぁ部屋に戻ろうとした時、人影が・・・・

(見られた!!)

「お疲れ」

「お疲れさまでーす」

仕事モードの顔に切り替え。きりっと戻して・・・

(一応。クールビューティってあだ名がついてますので・・)

「さっきと大違いだな」

「えっ?」

「どっちが本物?」

「こっちです」

「ふーん。まるで仮面かぶっているな。そろそろ剥がしたら」

「あなたに言われることではないので。では」

「かわいくないね」

「もう、そんな年じゃないんで」

足早にその場を去った。

(見られた・・・でも暗かったので顔がわからない。何処の部署?・・まっいっか・・・)

部屋へ戻ると、同僚の加奈子が待っていた。

「遅い~。目途は付きそう?」

「これから帰る。やる気なくした。」

「何で?」

「今日は、飲んで帰る。月曜日にがんばるわ」

「今日は週末。飲んで帰るわ」

「じゃ 行きますか」

いつものバーに向かった二人。
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