幸せになっていいですか
「頭をあげてくださいお父様。私も昨夜一哉さんから聞きました。そのことですか・・・
 はっきりいいますね・・・私は一哉さんに怒りました。どうしても納得がいきません」

「そうでしょ。一哉も相当怒ったわよ。良樹がどれだけ止めたか」

「久しぶりに喧嘩したな息子と・・・」

「でも何故そこまでして・・・一哉さんと・・」

「一哉の婚約破棄って言うのは、近い親族だけで、他には知られていないのよ」

「智哉が結婚して2年・・。一哉の縁談話がものすごく多くなった。それで今真理さんとの
 話が持ち上がった・・・それを潰そうとする者が現れた。親として何としてもこの話を
 ちゃんと進めたい・・・優志君のためにもな・・・」

「優志さんのこともご存じなんですね・・・」

「ああ。今でも付き合いがあるからな」

「私が元婚約者だった事も・・・」

「もちろん。だから一哉が真理さんを紹介した時は本当に驚いた」

「責任を取るのか?と聞いたよ一哉には・・・でも優志君より前から思いがあったと一哉は言うんだ」

「そうですか・・・」

「一哉に優志君の話をするのは親として・・なんか辛くてな・・・」

「一哉も相当苦しんだのよ・・・」両親とも辛そうな顔をした・・・

「この家を捨てるとも言ったからな・・・」

「一哉さんがそこまで・・・」

「真理さん。親としての我が儘なのはわかってる。重々承知だ。でも今は一哉と真理さんを守りたいんだ。
 親として・・息子の幸せを願いたいんだ・・だから、早く結婚の話を進めたかったんだ・・
 邪魔が入る前に・・・何としても・・・」

 

「・・・わかりました。ではお父様お母様、今の私のすべてをお話しますね」

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