幸せになっていいですか
ロビーへ行くと、ジーンズ姿の彼を見つけた。

「お待たせしました」

「真理さんかわいい」

「へっ?かわいい??」

(何言ってんのこの人??)

「じゃ 行こうか」

ロビーの玄関を出ると、彼の車が・・・

「車?」

「そう。ドライブ」

「・・・」

「まぁ乗って!」

助手席にエスコートされそのまま乗った

「じゃ行くよ」

「今日は海のある公園へ行こう」

「近くでよかったのに・・・」

「お天気がいいし、こんな日滅多にないよ」

そういいながら車を走らせた。

彼の横顔をふと見た。ものすごいやさしい顔。

(こんな表情もできるんだ・・・)

今までの表情なんて、ちょっと冷たそうだったり、悲しそうだったり、

泣き顔・・・思い出してしまった。

「真理・・・真理さん」

「えっ。はっ。何でしょう」

「今日は一日笑いましょうね」

「泣き顔禁止」

「へっ?」

「泣いたら・・・罰ゲーム」

「罰ゲーム??」

「なっ・・なっ・・何ですか」

「おたのしみに~」

(はぁ~何がお楽しみよ・・・ちょっとむかつく)

「後、怒った顔も禁止ね~」

「もう・・・どんな顔をでいたらいいんですか」

「笑顔」

(今一番苦手な表情かも・・・作り笑いはバレそうだし・・・)

「まぁ一日長いから、のんびり行きましょう」

そういいながら、車はいつの間にか湾岸沿いを走ってた

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