幸せになっていいですか
実家へ着いた。

「ただいま~」

「お帰り。真理さん・・ごめんなさいね突然で」と一哉の母が申し訳なさそうに言った。

「いいえ。今日から私は新藤の嫁ですから・・お母さんよろしくお願いします」と頭を下げた。

「こちらこそ。さぁあがって、父さんがお待ちよ」とやさしく笑ってくれた。

手をつなぎながらリビングへ向かった。

「親父、提出してきたぞ」

「ご苦労だったな。真理さんも急にこんなことになってすまんな」

「いいえ。大丈夫ですよ。お父さん。今日から嫁として頑張りますから
 よろしくお願いします」と頭を下げた。

「頼もしい娘ができた。一哉のこと頼むぞ」

「はい。任せてください」と笑った。

「・・ってあの話だが・・」

「兄から大まかな話は聞きました」

「そっか・・何としてもこの縁談を潰す気みたいだな・・あそこは」

「真理さん。暫く一哉と行動してくれ。もしくは加奈子さんか良樹とな」

「わかりました」

「しかしあそこの娘のしつこいな・・」

「ああ・・まいったよ。ここまで連絡してくるからな・・」

「え?そんなにしつこいの?」

「さっきも連絡あったぞ。一哉に会いたいって」

「俺は嫌だ。」

「いったいどんな子なの?」

「真理は会わないほうがいい」

一哉が言った言葉が引っ掛かった・・・
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