幸せになっていいですか
「一哉・・ごめんね。あんなことを言って・・・」

「当たっているからいいよ。それにほんとに別れられないしな」

「賢い子なら気づくと思ったんだけど・・」

「お前・・それって・・」

「そう。もう言ってやろうと思ったの」

「おい!誰も知らないんだぞ」

「だから遠回しにいったのよ」

「ったく・・あぶないな」

「一哉・・私、実は・・お父さんに確認の電話をしたのよ。
 結婚のこと言ってもいいかって。そしたら、もう隠してもばれるなら
 言ってもいいって言われたの」

「親父・・」

「兄貴、親父も腹くくったみたいだな」

「ったく・・人の気も知らないで・・それと真理もだ」

「無理をしない約束だからお父さんにきいたのよ」

「・・・真理のほうが上手かもな」と一哉が笑った・・

「兄貴、やっぱり真理さんは凄いわ」

「だろ・・急に肝が据わったというか・・なんというか」

「やる時はやるんです。新藤の女達は・・・」

沙紀と一緒に笑った。


一哉と智哉が苦笑いをしていた。


とりあえず絵里さんにも会えた。標的は私に向いた。いつでもかかってきたらいい。


私は負けない・・・一哉の妻だから・・
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