幸せになっていいですか
「沙紀やったな・・」智哉が笑いながら言ってきた。

「お父さん、お母さん、勝手なことをして申し訳ありません・・」

「沙紀さん、今回はありがとう。お父さんにもまた連絡する
 と伝えてくれ」

「一哉さんと真理さんには何としても幸せになってもらわないと・・
 ただその気持ちだけで動きました」

「沙紀・・・ありがとう」一哉と二人で頭を下げた。

「一哉、松本さんはどうなったの?」

「社長は始め怒っていたんだが、あの一本の電話で・・」

「電話で?」

「みんなが着いた時にはこっちに頭を下げてきた」

「そりゃ大株主の娘が智哉の妻だぞ。下手に動いてみろ、下手すりゃ
 会社があぶない・・」

「・・・で絵里さんは?」

「もう何も言わないだろう・・真理にも手をだせないな」

「よかった・・・ひとまず安心ね・・」

「ああ。これで、来週の良樹さんと加奈子さんの結婚式も無事に済みそうだな」

「ほんとお騒がせしました」と頭を下げた。

「兄貴・・結婚の報告パーティーはどうするんだ?」

「真理の誕生日にする」

「え?私の!」

「12月24日。クリスマスイブだけどな」

「みんな忙しいよ。違う日でも・・」

「会社のクリスマスパーティーも一緒にできるし、いいだろ」

入籍してから驚くことばかりで、もう何も言えなかった・・

「一哉・・好きにしてください」

その一言しか言えなかった・・・




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