幸せになっていいですか
とうとう式前日になった。

加奈子も少し落ちついたので、明日は何とかなりそうだと連絡があった。

実家から式場へ行くと言っていたので、今夜はこのマンションにはいない。

良樹さんが一人でうちに来た・・

「どうしたの良樹さん」

「真理ちゃん今までありがとうな」

「今更・・これからのほうがいっぱいお世話になるのよ。 
 それに親戚でしょ」

「そうだよな・・・ほんとこんなこと思いもよらなかったよ」

「何?男がマリッジブルーか?」と一哉が笑って言った。

「あのな・・・」と真剣な顔をして言って来た。

「真理ちゃん・・・俺達の結婚式終わったら優志の所へ行かないか?」

「え?・・・」いきなりで驚いた。

「真理ちゃんが籍を入れて今落ち着いただろ・・。俺、優志の両親が真理ちゃんのこと
 心配してたってことは言ったよな。いい知らせが出来たらまた来ますって言ったんだ。
 真理ちゃんの中の思い出にもちゃんと終止符をうたないか?」

「・・・そうだね。優志は私達にとって忘れられない人だから・・。その人の両親が
 私のことをまだ思っていたら、確かに結婚したことを伝えてもいいかも・・・
 相手は一哉だとちゃんと報告すべきよね・・」

「一哉。お前優志の家行ってないのか?」

「そうだな・・・あれから会ってない・・」

「一哉・・良樹さんの言う通り行こうよ。」

「ああ・・・」


「俺も一緒に行くわ・・だから考えておけよ・・じゃ
 独身最後の大事な用事も済んだし、真理ちゃんごめん一哉借りる」

と言って二人で飲みに行った・・・

「ほどほどにね・・」と見送った・・。

明日は加奈子の結婚式・・・きっと綺麗だろうな・・

明日に備えて早く寝た。



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