幸せになっていいですか
携帯が鳴って目が覚めた。

電話の相手は一哉だった。

慌てて起きて見渡すと姿が見えない・・・

「真理・・今1階にいる。降りて来れるか?」

「え?」寝起きで頭が回らない・・

「みんなが帰るって言ってるから、無理ならいいけど」

すぐに行くと返事をし、慌てて着替え、1階へ向かった。

ロビーへ行くとみんなが話をしていた。

「真理!おそーい」加奈子が笑って手を振っていた。

「ごめんなさい・・疲れちゃって・・」照れながらみんなの所に行った。

加奈子が寄ってきて耳元で言った。

「真理。髪下ろしたほうがいい・・首見えてるよ」

その言葉にはっとした。

止めていたバレッタを外し、髪を下した。

慌てた行動に一哉が横目で見てこそっと笑ってた。

「じゃあと1日お二人で楽しんで」

「加奈子も。いい休日にしてね」

「私はこれからずーっと休みだし~良樹とデートでもするわ」

あ・・・加奈子がもう会社に来ないんだ・・・

少し寂しく感じた・・

「じゃ帰るわね。真理、今夜も楽しんでね」

「ありがと。加奈子もゆっくりしてね」

「一哉~真理ちゃん疲れさすなよ」と良樹さんが一哉の肩を叩いた。

「わかってるよ。じゃまたな」その場で別れた。

「このまま朝食に行くか」と手を繋いで歩いた。

周りの目ももう気にならない。

結婚したことをみんなが知っている。

パーティーに来ていた人とすれ違っても何も言われない。

堂々と一哉の妻として横を歩ける・・・

何か少し心の中のものが軽くなった気がした。
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