幸せになっていいですか
マンションまで帰り、3人で夜までゆっくり過ごした。

「明日帰るんやね・・」

「向こうもお客さん多いからな・・真理は帰らんでいいんか?」

「今日は一日ええんよ」

「そっか・・・」

「真理、これ」と両親が私に通帳と印鑑をくれた。

「何これ・・・こんなんいらんよ」

「何かあった時に使え。子供が出来たらいるやろ」

「・・・こんなんもらったら、罰あたるわ」

「ええから、開けてみ」

開くと、とんでもない金額が入っていた。

「これは・・・もらわれへん・・・」

「今まで何もしてやれんかった気持ちやから・・受け取って」

手の中に置かれた。

「お父さん・・お母さん・・」

「ごめんな。こんなんしかできんで・・・」

「十分もらってるよ。私親不孝なことしてるのに・・・」

「いいや。自慢の娘や!」と笑って言ってくれた。

「お父さんとお母さんの娘でよかった」涙をこらえながら笑って答えた。

3人で過ごす時間もあっと言う間に時間が経った。

「今日はありがとう・・じゃ帰るわ」

「明日早いから、こんでええよ」

「あかん。送っていく。一哉が言ってたから」

「わかった。じゃ明日な」

今年最後、両親と過ごした・・・。

< 232 / 329 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop