幸せになっていいですか
動き出した
エレベータホールで驚いた。

スーツ姿の良樹さん・・・。

「おはよう。加奈子?」

「おはよう真理」「真理ちゃん」

「えーー!何で良樹さんが!あれスーツ?何で??」

「加奈子・・・何隠してた?」

「はぁ~こっちがだまされたのよ!
 ったく。今朝いきなり迎えに来て、ビックリだわ。マジ・・・」

「えっ?婚約者にも内緒って・・・ よ・し・き・さ・ん!」

(昼休み、説明してもらうからね)

「まぁ後で話すから。今は勘弁してくれ。僕、今日から営業1課なんで」

「はぁーーー!」

エレベーターホールに響くくらい二人は叫んだ。

後ろから一哉さんが笑っている。

冷たーい目線で追いかけたら、素知らぬ顔して・・・

「おはよう良樹さん。加奈子さん。真理さん」

「おはようじゃないですよ。一哉さん」

(加奈子名前はまずいでしょう・・・みんな聞いてるよ~)

「新藤さん後でちょっと・・・」

「あれ?真理あんたそんな関係?」

(もう。小さい声で言ったのに・・・)

「違う。飲み仲間」

「ほー飲み仲間ね」

「せいぜい底なし同志飲んじゃって」

「はいはい」

女子ロッカーの中が話題もちきりだった。

営業1課にイケメンが来たーって。

加奈子今度はあんたが苛められないようにね。

ってあの子の喧嘩売る子もいないか・・・。

もう私達、かなりの勤務年数ですから・・・。
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