幸せになっていいですか
更衣室に戻り、さっきの後輩たちに会った。

「お疲れさまです」

「ちょっと待って」と呼び止めた。

「何か?」

「あんた達わかってるよね。私が言いたいこと」

「・・・はい」少し俯いた。

「先輩として言っておくから。彼女みたいに勇気だして相手にぶつかってもないのに
なんであんなこと言うの?彼女は頑張ったから付き合ってるの。何もせず嫌味、妬みをいうなんて
最低よ。わかった?そんなこと言ってたら、あんた達にいい男がせっかく声かけたくても
できないでしょ。もっと笑って、素敵なところ見せなきゃね。」

「真理さん・・・ごめんなさい」

「っていうか、みゆきに謝って。無理なら私も一緒にいるから」

「はい・・自分でいいます」

「じゃ約束よ。破ったら・・・わかってる?」

「真理さん怖いです」

「嘘よ。冗談」

ちょっとお節介すぎたかもしれないが、お灸をすえる気持ちで言ってみた。

みゆきにも幸せになってほしい・・ただそれだけだった。

午後の仕事が始まった。

みゆきからのメールが届いた。謝ってくれた。それと、後藤君が傍にいてくれるようになったと。

他人事なのに何かうれしかった。

良樹さんもデスクに帰ってきて、補佐の仕事が始まった。

午前中休んだので、仕事がかなり溜まっていた。

久しぶりにパソコンを打つ速さが増した。

「真理ちゃん助かる」とまた資料を手元に置かれた。

「じゃ本気出しますか」腕をまくって無心で打ち始めた。

たまった資料は定時には終わった・・・。
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