幸せになっていいですか
「真理、悲しいこと思いださせてごめんな。俺もこれを渡された時は正直言って
辛かった。でもな優志の気持ちだから読んで欲しかった。みんなにも見てもらいたかった
優志の最後の気持ちを・・・真理この手帳は真理が持っていていいからな」

暫く落ち着くまでずっと一哉は背中をさすってくれた。

「一哉、この手帳はいつ渡されたの?」

「真理と報告に言った時、帰りにそっと渡された。隠していてごめん・・・」

「・・・・・」

「一哉君。辛い思いさせてすまなかった」

「いいえ。優志も僕に頼むって書いてあったことが驚きでしたが・・」

「これで優志君もあの世で安心してるんとちゃうか。自分が最後に託したやつが
旦那になったわけやし、真理も幸せになったんやしな、真理もう泣くな。優志君があの世で
心配するやろ」涙目になりながら涼介が言った。

「わかってる・・そうやね・・笑わんとね」

一哉の手をギュッと握って涙を拭いて笑った。

「これから優志の分も一緒に幸せになろうな」

「はい」

「さぁ今夜はもう遅いから寝て、また明日お話しましょ」

「そうやな。一哉君、真理、ゆっくり休んだらええ」

「そうするわ。父さん、母さん、涼介、桜さんおやすみ」

二人でリビングを後にした。
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