幸せになっていいですか
いつの間にか眠ってしまっていた。

目を開けると一哉も静かな寝息を立てていた。

一哉に涙の後が残っていた・・・

一哉が泣いた・・・気づいていないのか・・それとも泣きながら寝たのか・・

昨日のことがよぎった。

もしかして、一哉は自分を責めているのかも・・・

あの日、二人で話した夜・・・私に打ち明けてくれた日・・・

泣き顔は見せなかったが、涙を流したのはわかった。

一哉も苦しかったもんね・・・

寝ている一哉をギュッと抱きしめた

「真理・・おはよう」

「一哉・・・あなたも辛かったよね・・」

「え?何が」

私の顔を見上げようとしたが、上げさせなかった

「一哉・・・辛い時は泣いていいんよ・・隠さずに」

「・・・真理・・」少し下を向いたように感じたが、

抱きしめたまま暫く動かなかった。

「一哉、今日で暫くお別れになるけど、ゆっくりして。私もそうさせて
もらうから。ごめんなさいね」

「ああ・・わかった」

顔を上げた一哉の顔は少し涙目になっていた・・・

「真理心配かけてごめんな」

「私は一哉の奥さんです。何言ってんの」

「そろそろ起きるか」

「まだ早いよ・・一哉と離れたくない」

「それをいうな・・帰りたくなくなる・・」

と今度は体制を変えられて一哉の身体の上に乗せられた。
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