幸せになっていいですか
「入社してからはそれなりの節度は守ったぞ。でもな真理を見た時は
マジ考えたな・・・」

「なにを?」

「絶対落とすって。でも優志にやられた」

「もし、あの時の一哉に言われても付き合えなかったよ。人気がありすぎて」

「優志もだろ?」

「確かにそうよ・・でも優志はのんびりだったかな」

「そうだよな・・・あいつ見ててこっちがイライラした。早く告白しろっていったもんな」

「え!そうなの」

「俺にはその時、沙紀がいたんだ」

「そっか・・・」

「沙紀とは長かったの?」

「いいや。ただ親どうしが決めていて、俺はほとんど無視。沙紀も智哉と遊んでたし」

「あの事故からはみんな変わったよね・・・」

「そう・・俺も良樹さんも智哉も真理が心配で、加奈子さんにどれだけ聞いたか」

「一哉何とかしろ。って言われても何もできなかったよ」

「それでずっと遠くから見てたの?」

「そういうこと」

「そっか・・・」

「私って知らない間にすごく恵まれた環境にいたのね」

「真理がいい子だからだよ」頭を撫でてくれた。

「そろそろ行かなきゃね父さんの会社」

駐車場まで手を繋いで歩いた。
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