幸せになっていいですか
会社に着くと、女子社員が一哉を見ていた。

「やっぱり見られてるね」

「真理が娘ってことは知っているのか?」

「一部は知ってるよ」

「やぁ真理ちゃん」とエントランスで声を掛けてきたのは叔父だった。

「おじさん・・あ・・専務こんにちは」

「久しぶりやな。社長のところか?そちらの方は?」

「紹介するね。新藤一哉さん私の夫です」

後ろにいた秘書が目を丸くして見ていた

「お~新藤財閥の息子さんか」その一言で辺りが一瞬止まった。

「初めまして、新藤です」名刺交換をしていた。

「これからはよろしくお願いします」と身内のあいさつなのに堅苦しかった。

「じゃ またね専務」

「結婚式行くからな」手を振って別れた。

エレベーターに乗り、社長室に向かった。

やはり秘書達も一哉を見入っていた・・・。

「着たよ。父さん、涼介」

「どうやった?一哉君、見られたやろ」

「はい。先ほど専務に会いまして、真理が夫と紹介したとたん、みんなが固まりましたね」

「おじさんもやるな。エントランスでしたらそりゃ社員は玉砕やな」

「って涼介。人の旦那で遊びな!」

「ええやないか。それにこれから時々来るやろ。一哉君も」

「そうですね。顔が知れているほうがいいかもしれませんね」と笑った。

「じゃ行くか」4人で食事に出かけた。




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