幸せになっていいですか
「だからな真理、お前がしっかりせなあかんねんぞ。わかってるか?
一哉君のことやから絶対に弱みを見せへんと思う。でもな・・お前にしか見せられへん
弱い所もあるはずや。その時お前が傍におったら、一哉君はきっと心を開く。一哉君も相当傷ついた。
もうええかげん解放したらなあかん・・・。真理それができるのはお前しかおらんねんぞ」

「涼介・・ありがとう心配してくれて・・・」俯いたままそれ以上の言葉が出なかった・・・。

「・・・あ~もうええわ。一哉君に言うなよ!この間3人で飲んだときな、一哉君のお前に対する気持ち
がどんだけか聞いたんや。親父も泣いとったぞ。真理は幸せもんやってな・・・。俺も・・真理にええ旦那
ができてうれしかったわ」

「涼介・・・」目の奥が急に熱くなり、堪えても堪えきれなかった・・・

「泣くな真理、泣くのは一哉君の前だけにせえ」

「わかってる・・でも止まらへんもん・・」

「あぁ~だから言いたくなかったんや・・・」髪の毛がぐちゃぐちゃになるまで撫でてくれた。

「涼介に撫でられたん久しぶりやわ。ごめんな・・心配ばかりかける妹で・・・」

「あほか。もう慣れたわ。家出娘が・・・」

「ごめんな・・」

「一哉君に会いたなったやろ?」

「・・うるさい」

「図星か!お前どんだけ好きやねん」

「羨ましい?」

「あほか。俺はそれ以上や。それに子供も産まれるからな・・・」

「そうや!どっちなん?」

「教えてくれへん・・楽しみにしとき。やと」

「桜さんらしいね」

「そやろ・・・」

涼介の顔が兄から父親の顔になっていた・・・

何か羨ましかった。
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