幸せになっていいですか
朝、目が覚めると母さんはいなかった。

時計の針は6時を指したところだった。

親孝行のつもりで帰ったはずなのに、私が癒されに帰っているみたいだった。

ベットの上でまだはっきり目覚めていない所にメールが入った。

加奈子からだった。


真理、朝早くからごめんね。昨日みんなで一哉さんの実家に泊った。

その時優志さんの手帳のことを聞いて・・・真理大丈夫?

もし辛かったら、いつでも連絡頂戴。みんな待ってるから・・

それと、今日はみんな飲みすぎでダウン中・・・。

一哉さんもまだ寝てるから。じゃまたメールするね


向こうでも言ったんだ・・・。やっぱり一哉が心配になってきた。

「やっぱ帰ろう・・・」

重い体を起こして、シャワーをあびて着替えた。

「よし!最後の親孝行しよ」リビングへ向かった。

リビングで父さんが新聞を読んでいた。

「父さんおはよう!」元気に挨拶をした。

新聞を少しずらして、顔を出しおはようとにっこり笑ってくれた。

「朝ごはん一緒に食べよう」庭のテラスまで引っ張って行った。

少し驚きながらもついてきてくれた。

父さんと二人だけの朝食が始まった。






< 271 / 329 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop