幸せになっていいですか
「一哉・・・心配かけてごめんなさい」素直に謝った。

「気にするなよ。もういいから」頭を撫でて肩によせてくれた。

みんなに心配かけたのに、怒りもしなかった。

「怒らないの?」

「真理が気を利かして連絡しなかっただけだし、俺が心配しすぎただけだから・・・」

「ごめんね。これからはちゃんと連絡するから」

「真理から連絡が無くて、携帯も出ないし、気になって涼介さんに連絡したら、
真理が帰ったって聞いて驚いた。会いたくなって、携帯にかけても出ないし
不安でどうしようもなくなってしまった。俺って余裕ないな・・・って思ったよ」

「私も一人になってから急に帰りたくなったの・・・独り言まで言ってた・・」

「真理が?」

「そう私が・・」とクスッと笑ってしまった。

「家族とみんなでゆっくりしたか?」

「みんなそれぞれ話はしたから・・母さんとは一緒に寝ながら話をした」

「そっか・・・じゃ色々話ができたんだな・・」

「父さんなんかコーヒー吹きだしたて驚いてた」思いだして笑ってしまった。

どんな話をしたのか説明したら、一哉も驚いたり、笑ったりしていた。

「さぁそろそろ行かないと・・」

「真理も行こう。加奈子さんもいるし」

「ほんとは行ってお詫びしないといけないのに・・ごめん。今日はちょっとやめておく」

「わかった・・今夜は帰るから、先に寝てていいからな」

いってらっしゃいのあいさつ代わりなのか、キュッと抱きしめてくれた。

「もう・・離れたくなくなるでしょ」

「行くの止めようかな・・・」

「あかん。行っておいで」

「怒った?」

「行かな怒る」と笑って言い返した。

「じゃちょっとだけ行ってくる」と玄関に向かった。

玄関まで見送ると、振り返って耳元でそっと囁いた。

「今夜我慢できなかったらごめんな」意地悪そうに笑って出て行った。

その言葉に顔が赤くなった・・・そんなことで照れる歳じゃないのに・・・
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