幸せになっていいですか
「真理が元気そうでよかった・・・」加奈子はため息とついた。

「ほんと落ち込んでたらどうしようかって・・・」沙紀も静かに言った。

「心配かけてごめんなさい」二人に頭を下げた。

「謝るなら、すべて解決したからなんじゃない?」

その言葉に私の予感が当たった。

加奈子はわかっている・・・私が考えていることを・・・

「一哉さんの気持ちでしょ」それ以上は言わなかった。

やっぱり・・・この二人には隠しても無駄だなと思った。

向こうで会った出来事を話した。

「みんな真理に幸せになってほしいのよ。勿論一哉さんもね。だけど
一哉さんの心の中だよね・・・」

「・・・そう・・心の中がね・・・」

「わかっているなら善は急げでしょ」沙紀が言った。

「え?沙紀?」見ると携帯を触っていた。

「智哉。よろしく。そう・・・じゃ」

「加奈子・・・そろそろ帰ろう」

「え?もう帰るの?」

「だって・・ほら」その言葉の後に玄関の開く音が・・・

「え?みんな実家じゃないの?」

「さぁ~ね~」加奈子がにやっと笑った。

「真理・・ただいま」やさしく笑っている。

私の頭の中ははてなのマークがいっぱいだ。

「今夜は上でみんないたんだ・・・誰かが不安な顔をしているから」

「智哉・・・」一哉が睨んでいた。

「じゃ帰るから・・・真理・・またね」と3人は帰って行った。
< 277 / 329 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop