幸せになっていいですか
「真理・・・」一哉が肩にもたれてきた・・・少しだけ震えてる・・・

「もう一人で苦しまないで・・・お願いだから・・・」

一哉の腕の力がぐっと入った・・・。泣いてるのかも・・・

「一哉・・・泣いていいよ・・・」

「真理・・・ごめん」声を殺して泣いてる一哉をずっと抱きしめた。

これで一哉が少しでも楽になってほしい・・・もう過去に縛られないでほしい・・・

何度も心の中で思った・・・。


暫くして顔を上げた・・・目が潤んでいる・・・

そっと頬を当ててお互の顔が見えるように見つめ合った・・・。

やさしく微笑みながら「大丈夫?」と言った。

「真理のおかげ楽になった・・・」

「良かった」

もうそれ以上の言葉はかけなかった。

いつものように抱き合って眠っているが、一哉の抱き方がいつもとは違っていた。

もう離さないとずっと言葉を言われているみたいだった。

一哉の心音が聞こえる・・・

その音を聞きながらいつの間にか眠ってしまった・・・。


長い一日がやっと終わった・・・。











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