幸せになっていいですか
今一哉がため息をついた・・・。

優志のことで悩んでいるんだ・・・そりゃそうだ・・・

大切な親友だもんね・・・その彼女だった私を妻にしたから優志に謝っているんだと思う。

優志はそんな悩んでいる一哉は嫌いだと思うよ・・・

もしかしたら今の一哉には怒っているかもね・・・いつまでこだわっているんだって

優志なら言いそう・・・今の一哉をみて思った。

もう一言、言ってしまおうか?・・・一哉怒るかな・・・それとも・・

私も空を見上げて思った。

優志・・・一哉の心の中の気持ち・・・もう解放していいかな?

急に風が吹いた・・・。あの時もそうだった・・・

決めた。最後のひと踏ん張りにかけた。

「一哉・・・聞いて」

目を瞑ったままだったが返事が聞こえた。

「まだ優志のこと気にしてるの?一哉、今の気持ちのままなら私は、
一哉と一緒にいても幸せになれない。一哉・・・もう自分の気持ち
を苦しめるのはやめて。」

突然一哉が起きあがった。「真理今何て言った」

「だから・・・今の一哉とは幸せになれない」今度は一哉の目を見て言った。

一哉が固まっている。かなり驚いた様子だ。

「あの手帳を読んでわかったでしょ。優志はあの時一哉に私を託した。
もう自分には無理とわかっていたのかもしれない・・・。それに他の男より
一哉に頼んだ理由があったんじゃないの?」

「・・・・・」

「一哉・・・優志はもういない・・私は一哉が苦しんでいるなんて耐えられへん・・・
その心の中の気持ち今ここで捨てていって。いますぐに!」

真っ直ぐな視線で一哉を見た。もう引き返せない・・・

ここで泣こうが、喚こうがどうだっていいと思った。
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