幸せになっていいですか
あ・・・今の状態が外だということを忘れてた・・・

きっと周りに見られてる・・・

急に恥ずかしくなってきた・・・

慌てて離れようとしても離れられない・・・

「苦しいよ・・・」

「今見られてるから顔をあげないほうがいい」

暫くはそのままで動けなくなってしまった・・・。

「真理・・落ち着いたか?」

「うん・・大丈夫」

そっと顔を上げた。

いつもよりやさしい笑顔の一哉がそこにいた。

「そろそろ帰るか?」

「寒くなってきたもんね」

片付けてその場を後にした。夕日を見ながら手を繋ぎ歩いて駐車場へ向かった。

家で話すともっと重苦しかったかもしれない・・・。

あの場所で話ができてよかったのかもしれない。

一哉の顔も来た時よりも表情がよくなった気がする。

ここに来てよかった・・・。繋いだ手に力が入ってしまった。

「ん?どうした?」やさしく声を掛けてくれた。

「何にもない」と笑顔で返した。

青空からだんだん夕焼けに変わって来ている所だった・・・。

歩きながら沈む夕日を眺めていた。

「綺麗だね・・・」歩くのをやめて止まった。

横にカップルが突然キスをした。突然で驚いてしまった。

「真理」呼ばれた声に上を向くと私の唇にそっと触れた。

突然すぎて目を開けたままだった。

唇が離れ「瞑って」と言われた。

瞑った瞬間、また唇に触れた・・・今度は凄く長く感じた・・・
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