幸せになっていいですか
「真理」その声に目が覚めた。

「今何時?」慌てて起きあがったら目眩を起こしてしまった。

一哉に支えられて倒れずには済んだ。

「真理、もう帰れ。引き継ぎはできたから」

「え?何でできてるの?私が寝ている間に?ってことは・・かなり寝た?」

「もうすぐ5時だ。定時になる。引き継ぎは俺がやった。心配するな」

「一哉・・・ごめんなさい・・・でもどうして引継ぎまで・・・」

「一つ会議が延期になった。その時間を使って1課に行ってきた。良樹さんに事情を話て、
後は俺がやった。そもそも俺の仕事だったし。ほとんど真理だやっていたから後は簡単だったよ」

最後まで一哉に助けられっぱなし・・・少し情けなくなった。

「明日のデーターはこれ」メモリースティックを渡された。

「これでとりあえず真理の仕事は終わり。だから今日は先に帰ったらいい」

「じゃ・・・先帰るね・・今夜は遅くなるの?」

「俺も帰ろうかな?」秘書を呼んでスケジュールを確認していた。

「じゃ智哉に頼むわ」と言って帰る事になった。

智哉さんがやって来た。

「真理さん大丈夫?兄貴、早く帰ってあげろよ。それと暫くは俺がでるから。来月の就任まで何とか
してやるから、兄貴も休めよ。じゃあな」そう言って会議に行ってしまった。

1課に戻り、良樹さんに挨拶して一哉と会社を後にした。

すぐに家に帰り、軽く食事をして今夜は早く休ませてもらった。

夜中目を覚ますとベットに一哉がいなかった。

そっとリビングへ行くと一哉が仕事をしていた。

気づかれないようにそっとドアを閉めて寝室へ戻った。
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