幸せになっていいですか
飲み会は大盛り上がりだった。

酒の肴は私と一哉のことばかり・・・

一哉は私を選んだのか?と聞かれ、一目惚れと言っていた。

私は加奈子のお腹のことを心配しながら久しぶりに二人でのんびり隅っこで飲んでいた。

「加奈子こんな時にごめんね」

「たまには妊婦だってリフレッシュしたいし」

「もうすぐ9か月でしょ」

「そう。待ちどしくて・・・」と笑顔でお腹をさする加奈子の姿がとても綺麗に見えた。

「どっちが生まれるの?」

「良樹さんには言ってないけど・・・男の子」

「イケメンになりそうだね」

「良樹みたいになって欲しくないけどね・・・」

二人で笑っていたら。良樹さんがやってきた。

「お二人さん僕の噂かな?」とニヤリと笑っている。

「そうそう。心配症のパパのことを相談中」

「おい。ここでパパっていうなよ」

「いいじゃない。本当にパパなんだから」その言葉に二人で大笑いしてしまった。

みんながこっちに注目している。慌てて口を押えてしまった。

一哉もその会話に気づいてこっちにやってきた。

「パパのこと苛めてる?」

「お前のパパじゃねえよ」

「もしかして一哉もパパだったりして」と良樹さんがニヤリと笑った。

「それは大丈夫」と私咄嗟に答えた。

「真理、返事早すぎ」と加奈子に突っ込まれた。

「俺は早くパパになってもいいけどな・・・」とぼそっと言った一哉の言葉にドキッとした。

「真理、今頑張ばれば同級生よ」加奈子が背中を叩いた。

結局私が何も言えなくなってしまった・・・。

時間が遅くなって来たので、私達は先に帰らせてもらうことにした。

加奈子と二人でタクシーで先に帰った。
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