幸せになっていいですか
加奈子の付き添いで病院へ行き、加奈子が終わるのを待っていた。

隣の妊婦さんが、おめでたですか?と聞かれたが、今日は付き添いなんですと笑って答えた。

大きなお腹をした加奈子が診察室から出てきた。

「ごめんね。付き添ってもらって」

「いい勉強になったから」

「真理もそろそろ?」

「・・・まだ考えてない」

「今なら同級生もいけるよ。一哉さんに言おうか?」

「それは無理やわ・・」

「まぁ頑張ってみて」と笑っていた。

日に日に加奈子が逞しく見えてきた。母親になるという雰囲気からだろう・・・

私もいつか・・・そう思いながら病院を後にした。

一哉は車の中で待っていた。時間もお昼だったので3人で食事に行った。

近くのカフェでランチをすることになり、3人で暫く懐かしい話や

式のことを話した。

「一哉さん、真理が妊娠したら仕事どうするの?」

「辞めてもらうよ」

「やっぱり・・・それって私のせい?」

「加奈子さんの影響もあるけど、俺の本心は結婚したら家にいてもらいたいんだ」

「私は妊娠しても働きたいんだけどね・・・」

「あ、政子さんか・・・」

「そう。政子さんのように両立したいの」

「一哉さん真理のこと考えてあげたら?」

「・・・でもな政子さんと真理じゃ立場がちがうだろ?なんせ俺が社長になるし・・・」

「・・・確かに・・一般社員じゃないもんね・・・」

「まぁ真理は体力あるから、産休ギリギリまで働けそうだけど」

「じゃ妊娠してもだまっておこうかな?」

「真理・・・それは止めろ。俺の身がもたない・・・」

「どれだけ心配性何だか」加奈子が大笑いした。

「ほんとに・・・これからが大変かもね」と笑って答えた。

時間もだいぶ経ったので加奈子を自宅まで送り、その後は買い物へ出かけた。




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