幸せになっていいですか
時間になり、涼介のも来たので、「変なこと言ったら・・・しめる」と言っておいた。

桜さんが「いらんこと言ったらしばくから安心し」と笑っていた。

「怖!桜、それだけはやめてくれ」とちょっと顔が引きつっていた。

「じゃあな。真理、ゆっくりしてこい。じゃ明日式場で・・」

「はい。行ってきます」と玄関まで見送ってくれた。

涼介達に気づかれないように、そっとキスもしてくれた。

少し顔が赤くなりながら、両親の待つマンションへ向かった。



「よし。父さんに伝えなきゃ」気合を入れてチャイムを鳴らした。

リビングには父さんが座っていた。

落ち着きの無いそぶりを見せないように新聞を読んでいた。

「真理ゆっくりしなさい」と言って母さんがコーヒーを持って来てくれた。

「ありがとう母さん」と言っただけなのに、父さんの新聞が少し揺れた。

「父さん、一緒にコーヒー飲もうや」

「・・・・わかった」それだけだった。

あまり顔を合わせてくれない・・・そんな父さんを見て少し寂しくなった。

3人もいるリビングなのにカップの置く音だけが大きく聞こえた。

「父さん。あのな・・・」

「何や。後にしてくれ」そう言って別室に行ってしまった・・・。

「真理・・・もう少し後にし。父さん寂しいみたいやから」

「わかった・・・」

結局晩御飯まで父さんはリビングから出てこなかった・・・。


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