幸せになっていいですか
涼介達が帰ってきた。

「ご飯は?」

「食べてきた。これお土産」とケーキを買ってきてくれた。

「そうや真理、一哉君今晩帰って来るって言ってたぞ」

「は?何で?」

「あの荷物見たら真理じゃ無理やと」

「気にせんでええのに・・・」

「父さんも母さんも朝行くから真理、一哉さんに電話したら?」

「そうする」

一哉に連絡入れると、もう自宅に帰っていた。

「一哉帰ってきてるわ」

「それじゃ夫婦仲よう行ったらええ」

「ほんまに・・一哉もゆっくりしたらええのに」

「男親ってそんなもんとちゃうか?それにいつも顔あわせてるし、いつもと変わらんねんやろ」

「確かに。会社でも一緒やもんね」

母さんと桜さんが紅茶とケーキを用意してくれた。

「じゃいただきます」イチゴのタルトをみんなで食べた。

「真理明日は何時に行く?」

「えーっと式は夕方やから、2時ごろかな?」

「じゃ明日に備えて、もう帰りや」

「うん。桜さんも明日に備えてゆっくりしてな」

「ありがとう。真理、そうこれあげる」と紙袋をもらった。

開けてみると、ブルーのリングピローが入っていた。

「ありがとう・・桜さん」

「色々考えてんけど、これがいいかなって思ってん」

これでサムシングフォーが全部そろった。

誰にも言わなかったのに自然と揃ってしまった。

母さんのイヤリング。加奈子のベール。買ったウエディングドレスに桜さんがくれた青いリングピロー

後、新藤家代々お嫁さんに受け継がれているネックレス・・・

何か最強の花嫁になった気分だった。

いよいよ明日・・・最高で最強の花嫁になろう・・心でそう思った。
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