幸せになっていいですか
「そろそろ帰るから・・・父さん、母さん、涼介、桜さん、明日はよろしくお願いします
それと・・・家出娘でしたが、一哉と結婚をして今は幸せです。これからも見守ってください」

「あ~辛気臭くなるやろ~真理らしくせえよ」

「涼介・・・私負けへんで兄貴より幸せになってやるから」

「はぁ~俺には勝てん。桜と子供がおるからな」

「・・・今に見ていて絶対可愛い子供産むからね」

「はいはい・・一哉君に似たほうがいいかもな」

「涼介!もうむかつくわー」

「ははははは・・真理らしくなったわ。真理明日は綺麗な花嫁になれよ。自慢の妹やからな」

「もう・・そんなん反則やわ・・・」

「泣くな!笑って帰れよ」

「はいはい。涼介も真理も最後の言い合いは終わった?」

「母さんまで・・・」

「さぁ旦那さんがお待ちよ。はよ帰り」

「じゃお父さん明日ね」

「おう」

今まで住んでいたマンション・・・お世話になりました。

あの窓からの夜景も今日でおしまい・・・

あのベランダ・・・空を見ながらよく泣いていた・・・

このソファー・・・一哉と初めて一緒に寝た・・・

優志との思い出も詰まっていたこの部屋・・・

本当にお世話になりました。

全体を見回してバイバイと心で呟いた。

「じゃ 帰るね」

「また明日」

笑ってみんなと別れた。

帰り道・・・ほんのわずかの距離だけど少し泣きながら帰った。
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