幸せになっていいですか
「失礼します」

「どうぞ」

打ち合わせ室にどっさり資料を置いてにらめっこの新藤さん。

(仕事モードにきりかえなくては・・・)

「あの~」

「あーごめん。そこに座って」と前に座らさせられた。

「じゃこの資料をパソコンに打ち込んで」

「これですか?」

「そうこれ。まだまだあるから、ゆっくりでいいよ」

「わかりました」腕まくりをして、打ち始めた

キーボードの打つ音だけがする部屋・・・。

一哉さんは何も言わず資料とにらめっこ。

私はパソコンとにらめっこ。

「真理さん。今日の綺麗ですね」

「はい?」打つ手が止まった。

目が合った・・・。(ドキドキする。そのやさしい目でみないで・・・)

「ずっと見てたのに・・・」

「へっ?いつですか?」

「ずっと」

「ずっとって、資料みてたでしょ」

「すぐやめた。」

「仕事してくださいよ。一・・新藤さん」

「ここでは一哉でいいよ。あ~仕事したくないな・・・」

「はぁ!あたし戻りますよ」

「行かないでここで仕事して」

「もう。冗談ばっかり・・・」

「綺麗はほんとだからね」と言いながら部屋を出て行った。

今日は、仕事できるかな?心臓がもたないわ・・・。
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