幸せになっていいですか
打ち合わせ室に戻ると、もう仕事をしていた。

コーヒーを渡すと、ありがとうと言ってそのまま口にした。

その後は黙々と資料を読んでいた。

打ち合わせ室は相変わらず二人きりだ。

時々内線がかかるだけで、あとはキーボードの音が聞こえるだけ

会話がない・・・。

お昼のチャイムが鳴った。

「真理~お昼行こう」と誘ってきた。

「一哉さんは?」

「ご一緒してもいいですか?」

「じゃ良樹さん呼んでくるね」

加奈子が呼びに行く後ろへついて行った。

社食に入ると目線が・・・

「加奈子さんと真理さんだ・・・」

「あの人でしょう加奈子さんの旦那様って・・・」

「加奈子さんかぁ~私無理だ・・・」

そんな声が聞こえてくる

加奈子と良樹さん。どこから見てもつりあう二人。みんながうらやましく思うのもわかる。

私は・・・冷たいイメージの女・・

「今日の真理さんすごくきれい・・」

「隣って1課の新藤さん?」

「えーうそ。付き合ってんのあの二人・・」

「まっさかー。聞いたことないよ」

「もし付き合ってたら、真理さんじゃ奪えないよね」

「うん。真理さんにはお世話になってるし・・・」

(どんな噂話だ?本人に聞こえるような話しないでよ・・・)

トレーを持ちながら、テーブルに着いた。

「加奈子も真理ちゃんも人気だねぇ」

「本当ですね。美女ツートップと仲がいい俺らって得?」

「お得かな~」

(一哉さんそんなこと言わないでよ・・・)

「これじゃ真理にいい男寄ってこないじゃない。ねー真理」

「加奈子なんてこというの!」

「だって真理がこんなに綺麗でかわいいからもったいないじゃない」

「一哉さん今日の真理綺麗でしょ」

「とても綺麗ですよ。他の男性社員がみんな見てるから、ちょっと嫉妬してしまったけど」

「一哉。お前何言ってんの?」

「ほんとの気持ち」とあっさり言ってしまう一哉さん。

「ここで食事するのが恥ずかしい・・・もうやめて・・」

「あはははーー」3人が笑った。

私はただ、下を向いてご飯を食べていた。

(一哉さん・・・大胆すぎます)
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