幸せになっていいですか
食事が終わりロッカールームへ戻ると、

「真理さん何か変わったよね」

「新しい彼氏でもできたんじゃない?最近綺麗になってるし?」

「彼氏さん・・・昔のこと知っているのかな?」

「何が?」

「知らないの?真理さんの元カレ。」

「知らない。だって入社前のことでしょ」

「そう。私も先輩から聞いた。彼、事故で死んだんだって。それもここの社員」

「えー!知らなかった!」

聞きたくない話が飛び込んできた。

私がいることを彼女達は知らない。

(やっぱり過去は消せないもんね・・・)

加奈子が黙って横で聞いてる。

(加奈子・・・)

ものすごい汗が出てきた・・・。やばい・・・

「でもその分幸せになってほしいんだよね~真理さんには」

(え?)

「だって最初は怖い人かなと思ったけど、後輩思いで、仕事はちゃんとできて、私達のフォローも
 凄くて、あんな人が幸せになれなかったら、神様がいじわるしているみたいじゃん」

「だよね。その話が本当なら、真理さんの力になるのにね・・・」


加奈子は黙って、ロッカールームを出た。

私も一緒に出て行った。

加奈子が涙目になっている。

「言い返してやろうと思ったのに・・あんないい後輩あんた育てたんだね」

「自慢の後輩ですから・・・」

「噂だろうが、真実だろうが、気にせずがんばろうね」

「頑張る」

そういいながら部屋へ向かった。

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