幸せになっていいですか
「真理さん今夜空いてますか?」

「今夜は帰ります。疲れちゃって・・・」

「じゃ車で送っていきます」

「いいですよ。一哉さんに迷惑が」

「大丈夫。今夜は定時に帰りましょう」

「わかりました」

あっという間に定時になった。

「早かった~今日も一日。」うーんと背筋を伸ばした。

「お疲れ様」

「お疲れ様でした」

「じゃ 駐車場で」

そう言って先に出た。

私も急いでロッカーへ行き、帰り支度をした。

「お疲れ~」

次々と声が掛かる。

「お急ぎで何処へ~」

「帰るの」

「ダーリンと?」

「はぁ?誰がダーリンって?」

「あはははは」ロッカールームに笑いが広がった。

「真理さ~ん頑張って~」

「はいはい。じゃ おつかれ」

急いで駐車場に向かった。


加奈子が真理の後ろ姿を見つけた。声を掛けようとしたが、

慌ててエレベーターに乗るのを見た。

(一哉さんだな・・・今日はいい方向に向かってよ・・真理がんばれ)

加奈子もロッカールームへ入って行った。
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