幸せになっていいですか
「これ食べて」と渡された紙袋

中をのぞくと、洋食のお弁当らしきものが。スープもワインもパンまで付いている

「いいんですか」

「どうぞ。それ食べて元気だして」

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

「これで真理さんが元気になるなら、いくらでもご馳走しますよ」

「もらってばかりですいません」

あっという間にマンションの前についた。

(もう着いた・・・あっという間だったな)

「あの・・せっかくなんでお茶でもいかがですか?」と誘ってみた。

「では少しだけ」

駐車場に車を止めてマンションに入った。

「親がくれたマンションなんで、広すぎて・・・どうぞ」

「おじゃまします」

(あっ優志・・・)優志の写真に目がいった。

「すいません」と言って急いで写真を伏せようとした時、

「しなくていい。そのまま飾って。真理さんの家ですから俺には気を使うことないですから」

(私・・気にしすぎかな・・・)

夜景の見える高層マンション。

「夜景がきれいですね」

「私、夜景が大好きなんです」

「昔の家も夜景がきれいな所に住んでいたので・・・」

(真理さんの過去・・・知りたい・・・)
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