幸せになっていいですか
「真理ちゃん。どうした~黄昏て・・・仕事しろよ~」

「良樹さん。すいません。今戻ります」

「いいよ。急ぎは無いから。一哉も今出てるし」

「ちょっと座ろうか」

「ごめん。今の話、全部聞いた。」

「・・っ・・・」

「加奈子があんな言い方して悪かったね」

「いえ。加奈子だから言ってくれるんです」

「あいつ真理ちゃんに幸せになってほしいんだよ。きっと・・・
 自分だけ幸せになって真理だけが・・ってたまに泣くんだなぁ~」

「加奈子が・・・」

「そう。あの超強気の加奈子が。
 真理ちゃん。一哉に対する気持ちは気づいたんだね」

「はい。あの人といると、何だか楽しくてうれしくて・・ドキドキして・・目で追っていて・・
 この間はもっと一緒にいたいなぁと思っていたり・・・でも何か引っかかりもあるんです・・・」

(自分ですごいこと言ってる・・・)

「真理ちゃん、それじゃもう本気になるのも時間の問題だな・・・」

「時間の問題?」

「そう。時間。後はあいつの押しか・・・
 今の真理ちゃんなら・・・この調子でさ、優志のこと整理してみないか?
 思い出に変える整理をしてみたらどうかな?
 心の中から薄れていく優志に・・・」

「今ですか?・・・」

「ただし無理はダメだよ。」

「はい」

「いい返事が聞けることを祈ってるよ。いつでも相談はのるからね」

「良樹さん。ありがとうございました」 一礼をして席に戻った

にっこり笑う良樹さんが片手をあげてあいさつをしてくれた
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