幸せになっていいですか
帰り道、外を眺めながら心の中で思った。

(もうさよならしよう・・・)

運転席のほうに向き直し一哉さんに言った。

「これから私がすることに何も言わないなら家に寄っていきませんか?」

「何をするの?」

「心の整理。」

今日は心の整理をしようと思い、部屋中の優志との思い出をリビングに集めていた。

「黙って見ていろと?」

「はい」

「辛くない?」

「わかりません・・・ただ・・もういい加減な気持ちはやめようと」

「俺がいたら邪魔かもよ」

「一哉さんがいるからできるかも」

「・・・無理してないか?周りが言ったからか?」

「いいえ。私が決めたことですから」

「途中でやめてもいいからな」

「それができない性格なんで」

少し沈黙があった・・少し悩んでいるような顔で運転していた。

「・・・行く。車おいてくるから先帰ってて」

「置いてくる?どこに?うちにもありますよ駐車場」

「近くになったから家。」

「家・・・?」

「引っ越したこと言ってなかったごめん。もうかなり前だけどね」

「あ~だからあの時また泊まりに来いよだったんですね」

「そういうこと」

「何処ですか?」

「あのマンション」と高層マンションを指を指した。

(最近できた高層マンション・・・。近!!やっぱ御曹司。持つ物が違うわ・・・。)

「じゃ 後で」マンションの玄関前で別れた。

私は家へ帰った。
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