幸せになっていいですか
「じゃ そろそろ帰るわ」

「もう帰りますか~?まだ飲みませんか~」

「これ以上飲んだら何するかわからないよ。俺だって男だし」

「そっ!そんなこと言わないでくださいよ。」(その顔で言わないで。ドキドキするから・・・)

「ちょっとは意識してくれてんだ」とにやりと笑った。

「そんな意味じゃなくて・・後少しでいいですから・・そばにいてくれませんか」

「え?・・・」

「ダメですか?」

「わかった」

再びソファーに座りなおした。

私は床に座り一哉さんの足元にもたれた。

「上がってこれば」

「これ以上近づけません」

「真理さん・・こっちおいで」

「無理で・・」後ろから抱きあげられてしまった。

結局肩にもたれかかるように座った。

「真理さん疲れた?」

「少し・・。一哉さんは?」

「何かほっとしている。・・このまま眠ってしまいそう・・」

「私も・・・眠たくなってきた・・・」

肩にもたれたまま力が入らなくなってきた・・・

「・・真理さん?・・・眠ってる・・・」

肩を揺らしても返事が無かった。

「このまま寝るのもいいかな・・」

顔を覗いてみると真理の目に涙が流れた・・・そっとゆびで拭った

首の後ろに手を回した。もたれて眠れやすい体制に変えてあげた。

「今夜は寝不足だな・・・」そっと呟いた。
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