幸せになっていいですか
「わかりました。優志のことは・・・あの時は私も気が動転してましたから
 電話のベル。家族からの連絡、営業部全体が慌ただしくなり・・・
 部長と急いで空港へ向かった・・・
 どうにか生きててほしい。そう願った・・・
 その気持ちが押しつぶされた・・・乗客全員死亡・・・

 亡くなったとわかり、その後自分はどうなったかさえわからなかった・・・
 気が付けば葬儀も終わり、ただ一人何もできなくなっていた・・・

 私も後を追いかけたかった・・・できなかった・・・
 みんなが助けてくれたから・・・
 暫く会社を休み、出社した時はみんな心配してたけど、何とかこなせた

 でも、だんだん笑わなくなり、隠すようになり・・・嘘をつくように・・・
 お酒も増え、たばこも吸うようになった・・・
 これじゃいけないと思いせめて仕事を頑張ろうと思った・・・
 だから仕事に没頭した。自分に負けないように。

 ただ、生かされた運命を背負って・・・
 いつの間にか・・・こんな女に・・・」

「いくら誤っても真理さんには許されない。でも、力にはなりたい」

「もういいです・・・
 私は一人で生きていきますから・・・」

そう言って、彼女は部屋を後にした。

一哉は引き止めなかった。止めれなかった。

自分の部屋に帰り、熱いシャワーを浴びた。

(とりあえず、眠ろう・・・)

疲れた・・・

いつの間にか眠ってしまった。
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