幸せになっていいですか
「どうぞ」

「おじゃまします」と玄関へ入ると

大理石の床と廊下の向こうに扉が見えた。

廊下を歩いて、扉を開けると、目の前に大きなリビングが目に入った。

大きな窓ガラス。海まで見える景色。まるで1枚の絵のようだった。

「すごーい・・・」その窓の前で立ち尽くしていた。

「気に入った?」

「すごすぎて言葉が出ません」

「どうぞくつろいでいて・・俺シャワー浴びてくるから」部屋を出て行った。

真っ白なソファーに座ってあたりを見渡した。

何もかもが新しくて、新築らしい家のにおいがする。

ダイニングもキッチンもすごく綺麗。

座ると体がうもってしまうこのソファー。

(私の家のソファーじゃ体が痛かったかも・・・)

ソファーの肘おきに頬杖ついて出てくるのを待った。

待っていると、上半身裸で部屋へ入ってきた。

自然にしている一哉さんを見て、こっちが驚いた。

(引き締まった体にその濡れた髪・・ドキドキが止まらない)

「あっ。ごめん」慌ててシャツを着てくれた。

ひと通り部屋の説明をしてくれたので、とりあえず鞄を取りに寝室へ向かった。

開けてみるとベットの向こうに見える景色がとても綺麗だった。

「この部屋自由に使っていいから」そう言ってクローゼットも案内してくれた。

少しだけど、服を掛けさせてもらった。

「今日からここで寝ていいから」

「でも一哉さんのベットなのに・・・」

「一緒に寝るから大丈夫」

その言葉に全身が熱くなった。頭の天辺まで熱くなっていた

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