君にとってX番目の彼女の私は私にとって最初で最後の彼氏だった。

「じゃあまた明日ねー!」

「「うん、じゃーねーっ」」

電車に乗り込み約5分。
私は由里菜と愛に別れを告げ、電車を乗り換えた。

ここから大体1人で帰ることになる。
同じ方面の友達もいるしたまに一緒に帰るけど今日は1人です。

乗り換えた電車の中で昨日TLに貼り付けた《スタンプした人の印象言います!》の結果を見てみる。

まあLINEの友達はほとんど知ってる人なわけで、全員答えられると思っていた。

だけどひとりだけ知らない名前。
TLに載せるといつもスタンプ押してくれて、同じ学校の同じ学年らしいけどクラスも顔も部活も知らない人。
きっと向こうも私のことは知らないんだろう。

それで、この人に対する印象なんて《いつもスタンプ押してくれる人》ってことくらい。トークもしたことない。ほかに何を話せと言っているんだこのひとは…。

とりあえず後回し。
出来る人を優先的にやっていき、一番最後にその人。

送ろうかどうしようか迷った挙句「TLにいつもスタンプくれる人!」と送っておいた。初対面なのであまり変なことは言わないように…ね。

返信はすぐきた。
「当たり前のことしたまでよ( ̄▽ ̄)」
と、スタンプ。

私既読無視。
完全既読無視。

その時その人に対するイメージが変わった。
もう《いつもスタンプくれる人》じゃなかった。
《絶対軽くて色んな女引っかけてる人》

もうこれに限る!とまで思った。
そいつの名前は…咲川 大輝(さきかわ たいき)。

もう絶対絡みたくないと思った。
絶対こいつは裏がある!
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