嘘つきなポーカー 1【完】
だがその怒りも、連絡が来なくなって2週間経つ頃には、不安へと変わっていた。
「あいつ…死んでないよね?」
由佳の頭を色んな考えが巡った。
病気で倒れたんだろうか?
それとも事件に巻き込まれたんだろうか?
もしかしたら、事故に遭ったかもしれない…。
考えれば考えるほど落ち着かず、由佳は事情を知る者が誰か居ないか考えたが、自分には薫以外に友達が居ないことに気付き、愕然とするしかなかった。
「何でせっかくの夏休みを、あいつのことばっかり心配して過ごさなきゃならないんだよーーー。」
由佳はそう叫びながら、頭をぐしゃぐしゃと掻きむしった。