嘘つきなポーカー 1【完】


だがその怒りも、連絡が来なくなって2週間経つ頃には、不安へと変わっていた。


「あいつ…死んでないよね?」


由佳の頭を色んな考えが巡った。

病気で倒れたんだろうか?
それとも事件に巻き込まれたんだろうか?
もしかしたら、事故に遭ったかもしれない…。


考えれば考えるほど落ち着かず、由佳は事情を知る者が誰か居ないか考えたが、自分には薫以外に友達が居ないことに気付き、愕然とするしかなかった。



「何でせっかくの夏休みを、あいつのことばっかり心配して過ごさなきゃならないんだよーーー。」



由佳はそう叫びながら、頭をぐしゃぐしゃと掻きむしった。


< 104 / 451 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop