嘘つきなポーカー 1【完】
取り巻きたちは由佳の右足を蹴った。
「…っ。」
由佳の右足に鈍い痛みが走る。
「おーおー、痛いか。そうかそうか。だったら私が踏み潰してやるよ!!!」
そう言って奈津子が由佳のもとに向かってきた。
そして奈津子は由佳の右足を踏み潰そうと、細くて長い足を上げた。
「やめて!!!!!!」
叫んだのは由佳ではなかった。
由佳にはもう叫ぶ気力すらなかったからだ。
奈津子と取り巻きは攻撃をやめて声の主のほうを振り返った。
「やめて…あげてよ…。もう、やめてあげてよ……。」
「木村さん…。」
由佳は呟いた。
そこには目に涙をためながら、奈津子たちを睨み付ける木村華代の姿があった。