嘘つきなポーカー 1【完】
「それは罪滅ぼしのつもり?」
突然どこかから聞こえてきた声に、華代は硬直した。
バレた――…。
華代の額を冷や汗が伝った。
絶対に見つかってはいけなかったのに。
華代は恐る恐る声が聞こえるほうに目をやった。
「今、見つかっちゃってマズいって思ってるんだろ?」
そこには玄関のガラス扉にもたれかかり、腕を組みながら華代のほうを見る小野寺薫の姿があった。
「…い、いつからそこに。」
「最初から居たけど?」
だが華代は少し安心していた。
薫は由佳の味方だ。
きっと華代の行動を悪く思うことはないだろう。
「今、見つかったのが俺で良かったって思ってる?」
薫のその言葉に、華代は言葉に詰まった。
全くの図星だった。